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テキストマイニング担当者に求められるスキルとは


自社で抱えているデータを分析するにあたり、今までExcelを使って集計していたけれど手が回らなくなってきた、集計だけでなく分析結果を求められている、といったお悩みを抱えている場合、次のステップとしてテキストマイニングツールを検討することになるでしょう。

しかし、いざとなると「使い慣れたExcelから専門的なツールに乗り換えても、果たして自分たちに使いこなせるのか?」という不安に駆られる…という担当者の声も耳にします。

今回はそんな不安を解消する、「テキストマイニング担当者に求められるスキル」についてご説明します。

データアナリストじゃないと使えない?

テキストマイニングツールをご検討のお客様から「データアナリストのように、分析に特化したスキルを持っていないと使えませんか?」というご質問をよく受けます。
その回答は「Excelなどを使えるスキルがあれば十分です」となります。
もちろん世の中には高度な分析ツールも存在しますが、特にベクスト社のテキストマイニングツールVextMinerは「分析初心者であっても、“業務知識がある”現場に近い担当者」が使えるような、感覚的な操作が可能なツールとしてご提供しております。

逆に言えば、業務知識がない担当者であれば分析の際に苦労するシーンが必ず訪れるでしょう。
なぜならば「この用語がどんな意味で使われているか分からない」、「分類体系を作ってみたけど業務フローに沿っているか分からない」といった、分析スキル以前の問題が発生するからです。
そのため、業務知識を有している、もしくは業務知識を有した人の意見を得られる立場の人材を分析担当者とすると良いでしょう。

重要なのは「目的設定」とデータ選択

もちろん分析の知識やノウハウを有しているに越したことはありませんが、それ以上に需要なのは「目的を適切に設定できるスキル」です。

「会社に貢献できるような、何か素晴らしい気付きを得たい」「新しい製品のヒントになるような意見があったらいいな…」といったように、漠然としたイメージを抱えているだけでは目的を設定できているとは言えません。
何故ならば、目的を遂げるためには、目的に沿ったデータを選ぶ必要があり、目的とデータに合わせた分析設計をする必要があるからです。
とりあえず着手したけど上手くいかない…と思う原因は、分析ツールを使いこなせていないからではなく、目的が曖昧かつデータ選択も適切でない場合が多いのです。

そのため、まずは具体的に「苦情の内容を把握したい」「既存製品の改善課題を知りたい」「隠れたニーズを知りたい」などのように、具体的かつ大きな目的設定を行います。

次に適したデータを選択します。
苦情内容の把握であればコンタクトセンターの応対ログ、既存製品の課題であれば応対ログや営業日誌やアンケート、隠れたニーズであればSNSといったデータを選んでいきます。
分析をある程度進めた段階で求める情報が見つからないのであれば、データが不適切である可能性を考え、他に適切なデータがないか検討する必要があります。

目的に合わせた「分析設計」

目的設定とデータ選択が完了したら、次に行うのは「分析設計」です。
「分析設計」とは、分析をどう進めて行くか、どう評価するかを決める工程です。
最低限決めるべき項目は以下の内容です。
・目的
・分析手順
・分析のゴール

意外と忘れがちなのがゴール設定です。
「どんな情報が得られたらゴールなのか」を必ず決めておかないと、せっかく分析を終えてレポートを提出しても、「この結果で良かったんだっけ?」「なんのために分析してたんだっけ?」と曖昧な結末を迎えてしまいます。

そのため、例えば「苦情の内容を把握したい」という目的に対しては以下のようなゴール設定を行います。
① 主要な苦情を把握する
② 地域別の傾向を把握する
③ 改善されていない(変動なく常に発生している)苦情を把握する

① が判明すれば直近で対応すべき課題が分かります。
② を把握することで、各営業所に対して適切な指導が可能となります。
③ を認識することで、苦情が減らない原因を追究することができます。
このように、ゴールに到達することで何ができるのか?もしっかりとイメージを持ち、関係者全体で共有することも重要です。

またゴールによってはすぐに到達できず、段階を踏む必要が生じることもあります。
現在対象にしているデータだけでは情報が不足しており別のデータと突き合わせる必要があったり、長期的に監視をする必要があったり、単純に難易度が高くすぐには取り組めなかったり…と理由は様々ですが、大切なのは「すぐには答えが得られない場合もある」と認識していることです。

報告相手である上長や他部署、上層部に「なぜゴールに到達できなかったのか?」と聞かれた際も、その理由を明確に述べ、今後どのような段階を踏まえて進めて行くのかをしっかり説明できれば問題はありません。

テキストマイニング担当者に重要なのは業務知識と「目的設定」「データ選択」「分析設計」ができるスキルです。


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