
生成AIが社会に浸透し、業務活用の範囲も拡張の一途をたどっています。このブログを読んでいただいているみなさまの会社でも、生成AIの活用あるいは活用方針の検討が進んでいるのではないでしょうか。生成AIにできることは多岐にわたりますが、徐々に弱点・課題もまだまだあるということを実感されている企業が多いようです。
我々が提供しているテキストマイニング分野についても同様で、生成AIが単独でできることにはまだ限界があり、お客様の求めるテキストマイニングを実行するには不足している部分があります。
しかし、長年培った分析ノウハウや技術を掛け合わせることによって、生成AIの恩恵を得ながら、求める結果を得ることができるようになってきました。
この記事では、まだ決して万能ではない生成AIを活用し、テキストマイニング技術とうまく掛け合わせることで達成した事例のいくつかをご紹介いたします。
VextMinerについて
VextMinerは、テキストの内容をコンテキストベクタと呼ばれる数値データに変換し、分類・検索などの処理を行います。一般的な分析手順は以下の通りです。
STEP1:主要話題の抽出・階層化
STEP2:話題の条件設定
STEP3:グラフで可視化し、特徴を発見
STEP4:少数話題・予兆(増加傾向話題)の発見
すべての工程は基本的にテキストマイニング技術を使用して処理されます。生成AIを活用した、分析工程の手間を省く分析支援機能も拡充しています。
中でも特に生成AIとテキストマイニング技術を掛け合わせるシナジーを得られた機能がVextInsight、ポイントサマリーという機能です。
VextInsight、ポイントサマリーについて
VextInsightはSTEP3のグラフから、ポイントとなる話題を生成AIが示してくれる機能です。
テキストマイニング技術によって作成されたグラフに基づいて各話題の傾向を確認するとき、意外に業務知識やツール操作に習熟している必要がある場合も多く、社内報告におけるハードルになる場合があります。VextInsightを使用すれば、生成AIがグラフ内の話題傾向をチェックし、自動でポイントを整理して提示してくれます。
ポイントサマリーはVextInsightに紐づく機能の一つで、名前の通り、文章のサマリーを生成AIが作成してくれます。
応対履歴などのデータでも同様ですが、特に音声認識テキスト(会話データ)では、全体を読み込んでどんな問い合わせからどのように話題が発展し、どう解決したのかを確認するのはテキスト量が多いため工数がかかることが非常に多いです。ポイントサマリーでは1件当たりのデータを要約してくれたり、要約する内容を選択して、例えば、特定の通話データにおける「課題」と「打ち手」をまとめてわかりやすく提示したりできます。
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導入事例:VextInsightを活用した課題解決
事例① 社内報告の工数削減
課題:応対履歴の分析結果を定期的にレポートにまとめるが作成に工数がかかる
具体的な悩み:分類ルールの設定が完了しており、定期分類は工数をかけずにできる状態だが、これまでと違う件数の推移を探したり、増加傾向にある話題・属性を特定することに時間がかかってしまう。
結果:VextInsightにより、全体傾向からポイントを簡単に把握できるようになった。また、「課題と打ち手」サマリーを使用してピックアップした話題の「課題」と「打ち手」も確認できるにようになった。「打ち手」は、生成AIが提示する汎用的・一般的な解決策に、業務知識や自社製品の特色を踏まえてアレンジをすることで、より実現可能性が高い/効果的な打ち手を提示できるようになった。
事例② 分析スキルが低い分析担当者のスキルアップ
課題:新人分析担当者は「深掘り分析のポイント」をなかなか見つけられない
具体的な悩み:新人分析担当者は、分析結果であるグラフの内容・詳細を確認できるが、課題や背景を確認すべき「深掘り分析のポイント(より詳細な傾向把握のための分析ポイント)」をなかなか特定できず、表面的な報告しかできなかった。
結果:VextInsightを使用することで全体傾向や特定属性情報による絞り込み結果からポイントを簡単に把握できるようになった。分析スキルが低い新人分析担当でも、いろいろな属性情報を組み合わせた結果に対してそれぞれVextInsightを行って特色を見つけ出すなど、スキルを要する深掘り分析のポイントを見つけ出せるようになった。
事例③ まとめてポイントサマリーによる複数データでの課題抽出
課題:個別通話内容から課題とその対策を整理したいがデータを読むのが大変
具体的な悩み:特定の問い合わせについて、その問い合わせが増えてしまう原因の追究と、問い合わせを減らすための対策を検討したい。汎用的な対策と、個別の事象に紐づく対策とを検討するには、ある程度の量のデータを読み込む必要があるが、通話内容を読んで内容を把握するのは、認識精度の問題や、一通話あたりのテキスト量が多いことからかなり時間がかかってしまう。
結果:ポイントサマリーをまとめて複数データで実行できる「まとめてポイントサマリー」を使用して、特定の問い合わせに対して複数の通話(上限100件)で「事象・原因・対策」をサマライズした。各通話の「事象・原因・対策」のほか、実行したデータ全体での「事象・原因・対策」結果のサマリーも出してくれるので、汎用的な対策と個別案件での対策について一括で把握できるようになった。
まとめ
今回は、VextInsightおよびポイントサマリーを活用した、生成AIとテキストマイニング技術を掛け合わせる分析事例をご紹介しました。
分析担当者のノウハウやスキルに依存していた分析結果の考察を容易に行えるようになっています。生成AIだけではできない分析を、生成AIでサポートすることで可能にするVextMinerは、より簡単、便利に使っていけるツールへ進化を遂げております。過去にテキストマイニングで挫折したご経験がおありの企業様にも、改めてご検討をいただく良い機会になればと考えております。
より詳細な情報や事例について知りたい方は、お問合せフォーム よりぜひお気軽にお問合せください。テキストマイニングに興味をお持ちの方は、無料のセミナー もございますので、お気軽にご参加ください。また、ベクスト各種製品のお役立ち資料 もご用意しております。
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