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音声マイニングで失敗しやすい5つのポイントとその対策

近年、コンタクトセンターにおける音声認識・音声テキスト化の利用の普及により、音声マイニング(=音声認識+テキストマイニング)の導入・活用を検討するお客様が急速に増加しております。

しかしながら、いざ音声マイニングを導入しても、なかなか業務への活用ができず、せっかく導入したシステムが十分活用されず終わってしまう、というケースも少なくありません。

そこで今回は、音声マイニングで失敗しやすい5つのポイントとその対策について解説いたします。

1.キーワードの集計だけを実施する⇒全体像を把握した上で深堀りの分析を実施する

音声マイニングが導入され、最初に実施されることが多いのがキーワードの集計です。

例えば「ありがとう」というキーワードの頻度を集計し、その時系列変化を調べる、といった分析です。

もちろんこの分析自体にも意味はありますが、音声データのテキスト化により、発言のニュアンスや言い回し、会話の流れ・文脈など、膨大な情報がデータ化されており、キーワードの集計だけではそれらの情報を全く活用できず、音声マイニングの実力をほんの僅かしか活用できないことになってしまいます。

そこで、キーワードの集計だけを実施するのではなく、まずはテキスト化したデータの全体像を把握することから始めます。

具体的には、自動分類などの機能を使って全体の話題を把握し、カテゴリ化をしていきます。そうやって全体像を把握した上で、要望の分析、クレームの分析といった個別の分析を深堀りで分析していき、必要に応じて、文脈など細かい部分まで見ていきます。

そのような手順で分析を実施してはじめて、音声マイニングの真の効果が発揮されると言えます。

2.音声認識の誤変換を完璧に無くそうとする⇒誤変換を前提として分析を開始する

音声マイニングを導入してテキスト化された結果を見ると、ところどころで誤変換を発見することがあります。

音声認識の精度は使用する音声認識のソフトウェアの精度や音声データの品質にも依りますが、人間の発する言葉でも時々聞き取りにくい言葉があるように、音声認識のソフトウェアも、全てのデータを常に100%の精度で変換する、ということは通常あり得ません。

そこで、変換精度を100%にすることをゴールに設定するのではなく、誤変換が存在するという前提で準備をし、分析業務を開始することが重要です。

具体的には、分析に必要となる重要キーワードだけは辞書登録して確実に変換されるようにする、キーワード単位ではなく話題単位で分析でき誤変換を吸収できるようなマイニングツールを選ぶ、などです。

また、POCの段階で、使用する予定の音声認識のソフトウェアの変換精度と、その変換精度の場合にマイニングツールでどこまで分析ができるか?を具体的に検証・確認しておくことも有効です。

3.最初から全てを自動化しようとする⇒分析の中身を充実させてから自動化をする

音声マイニングのシステムを導入する際、要件定義段階で全てを自動化する要件を作成することが多々あります。

もちろん最終的には自動化できることが望ましいですが、まだ分析のアウトプットを見ていない時点で、自動化を前提としたシステム開発をすることは、無駄な機能を開発してしまうことや、使えない機能を開発してしまうなど、手戻りが発生してしまうリスクがあります。

そこで、まずはテキスト化したデータをマイニングツールにインプットし、手動で分析を実施してみて、試行錯誤をしたうえで、どのようなアウトプットが得られるか?分析結果はどのように業務に活用できそうか?を具体的に検討することが望ましいです。

業務への活用方法が明確になれば、分析結果をどのように出力し、どのような頻度でどのような部署にどのような形で展開するのか、自動化の要件も明らかになってきます。

その後で自動化を進めれば、手戻りを最小限に抑えることができます。

4.既存の分類体系だけを使う⇒音声マイニングならではの分類も行う

コンタクトセンターには、通常、手入力の対応履歴の内容を分類・集計するための分類体系が存在しています。そのような既存の分類体系を、音声マイニング導入後も継続して使うことはもちろん問題ないのですが、同じ分類体系しか使用しないと、従来の手入力で得られた結果と同じような結果しか得られないことも多く、音声マイニングを導入した効果が薄れてしまうことがあります。

そこで、音声マイニングによってデータが拡大した分、音声マイニングならではの分類を新規に作成し、活用することが効果的です。

具体的には、例えば「大変お待たせして申し訳ありません」というオペレーターの発話や、「~はできないでしょうか?」というカスタマーの発話に着目してカテゴリを作成するなど、特徴的な発話の話題を分類体系に追加し、深堀りで分析していくことなどがその例です。

このように、会話のフルテキスト化をしてはじめてデータ化できた部分に着目して分類を作成することで、従来の手入力のデータの分析では見えてこなかった、音声マイニングならではの詳細なクレーム内容や要望の内容が分析できるようになります。

5.分析を委託先に全て任せる⇒分析に精通した担当者を育成しリーディングさせる

音声マイニングの分析は、前処理なども含めると通常のテキストマイニングよりも難易度が高く、委託先の会社に分析作業を依頼するというケースも多いと思います。

それ自体に問題はありませんが、全てを丸投げしてしまった結果、委託先とうまくコミュニケーションが取れず、従来の手入力の分析とあまり変わらない分析結果しか得られなかった、という問題が発生することも少なくありません。

そこで、委託先の会社に分析を依頼する場合、丸投げをするのではなく、自社でも分析に精通した担当者を育成したうえで、その担当者に委託先との橋渡し役を担当してもらうことが望ましいです。

何故ならば、分析結果を業務に反映するためには、自社の担当者が分析と業務の双方を理解したうえで、委託先の会社に適切な分析要件を的確に伝達する必要があるからです。その役目を分析チームのマネージャーが担う場合、マネージャーは自身で分析の詳細手順を十分に理解しておくことが必要となります。

<音声マイニングの分析結果例>
音声マイニングで失敗しやすい5つのポイントとその対策

6.まとめ

今回は音声マイニングで失敗しやすい5つのポイントとその対策について解説いたしました。

より詳細な情報や事例について知りたい方は、お問合せフォームよりぜひお気軽にお問合せください。テキストマイニングに興味をお持ちの方は、無料のセミナーもございますので、お気軽にご参加ください。

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