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会話中の「感情」からES向上を目指す分析手法

会話中の「感情」からES向上を目指す分析手法
コンタクトセンターでの音声認識システム導入が定着化しつつある昨今、会話内容だけでなく会話時の感情を見える化する「感情解析」のニーズも増加傾向にあります。

感情を数値として把握をすることで、お客様だけでなく、オペレーターが「どんな状況に置かれているか」を知ることができます。

今回は感情解析結果からオペレーターのストレスチェックを行い、ES(従業員満足度)向上を目指すための分析手法についてご説明します。

1.コンタクトセンターで「感情解析」を導入するメリット

オペレーターはお客様と直接会話をする立場にあり、一定の説明能力とお客様に寄り添った対応が求められます。

このため離職率が高くノウハウも蓄積されにくいため、コンタクトセンターを運営する企業では新人教育のコストに頭を悩ませることとなります。

オペレーターの離職率を下げるために、ストレスチェックは欠かせません。

現場ではSVがオペレーターのフォローに当たりますが、担当するオペレーター数が多ければSVの負担も大きくなります。

また感染症対策でコンタクトセンターの在宅化を進める企業もあり、オペレーターの状況を把握する難易度はより一層上がっていると言えます。

このような場合、「感情解析」機能を有した音声認識システムを導入していれば、会話中の発言およびそれに紐づく感情(種類と値)をアウトプットとして得られます。

更にアウトプットをテキストマイニングで分析することで、話題別の感情の傾向を把握することが可能です。

これにより、1件1件を目視で確認するのではなく、「コンタクトセンター全体で」「各オペレーターの傾向として」まとまった形で結果を確認し、オペレーターの状況を把握するための労力を削減して運用していくことができます。

2.オペレーターの「感情」を読み解く

音声認識結果は基本としてオペレーターとお客様の会話をテキスト化します。

そのまま分析を行うと「オペレーターのストレスチェック」という目的に対し、お客様の感情がノイズとなってしまいます。

分析対象をオペレーターの発言のみに絞り込めば、オペレーターの感情の動きだけに注視した分析結果を得ることができます。

分析結果は全体/オペレーター別の双方向から確認することをおすすめします。

「全体として〇の話題の時に悲しみの感情値が高くなる傾向にある」という結果が得られれば、まず「〇の話題を話しているオペレーターは、なぜ悲しみを覚えるのか?」との疑問を得ることでしょう。

感情の要因は、直前の話題に関連すると予想されます。

〇話題の前の対話を深掘りすることで、直前にお客様がどのような言動を行っていたかを把握することができます。
感情分析例

この際に例えば「その説明じゃ分からない」というクレームを発見できたのであれば、抜本策として「マニュアルの説明文を修正する」ことでお客様のクレームを減らし、結果オペレーターのストレス軽減に繋がる可能性があります。

実際に課題解決に繋がる対策だったか否かは、定期的に〇話題の感情値をチェックすることで判断が可能です。

オペレーター別に比較を行う場合は、例えば「Aさんは△の話題の際に不安の感情値が高くなる」などの傾向を知ることができます。

他のオペレーターとの違いが顕著であれば、Aさんは△についての理解が及ばず説明に自信がないのかもしれません。

SVからの個別指導も対策として有効ですが、分析結果からベテランの会話内容を抽出すれば、新人にも“ベテランのトークノウハウ”をそのまま共有できるため教育コストの削減に繋がります。

また、話題に由らず全体的にネガティブな感情値が高いオペレーターはストレスが高く、すぐにでもフォローが必要な状態であると言えます。

まとめ

オペレーターの感情と話題を紐づけて分析することで、ストレスチェックを効率的に行い、具体的な対策を検討することができます。全体の課題なのか個人の課題なのかをきちんと把握し、ES向上を目指しましょう。

より詳細な情報や事例について知りたい方は、お問合せフォームよりぜひお気軽にお問合せください。テキストマイニングに興味をお持ちの方は、無料のセミナーもございますので、お気軽にご参加ください。

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