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VOC活動の活動拡大のステップについて(2)

VOC活動の活動拡大のステップについて(2)
VOC活動の活動拡大のステップについて(1)」ではVOC活動拡大のステップとして、一般的な内容をお伝えしました。

今回は「分析対象のデータソースを増やす」ことにスポットを当てて、VOC活動継続にあたり具体的にどのような発展が考えられるかをご説明します。

1.分析対象の範囲を広げる

VOC分析を行う際に、まずは苦情データから着手をする企業が多いのではないでしょうか。
苦情データは企業にとってクリティカルな内容を含み、対応を行うことが必須であるため、分析対象として優先順位が高いと言えます。

しかし、苦情はお客様の声の一角にしか過ぎず、大半を占めるのは通常の問い合わせ(質問、要望)です。
そのため、苦情分析を一年以上継続し分析の方針が固まったのであれば、次のフェーズとして分析範囲を「苦情を含む問合せ全般」に広げることをおすすめします。

苦情と問い合わせは必ずしも一致する内容ではありませんが、質問や要望はすなわち「お客様にとって分からない、求めるものとは違う=改善すべき点」であり、それが改善されない場合は苦情に転じる話題とも言えます。

VOCを網羅的にとらえるのであれば、いつまでも苦情だけを追い続けていても十分とは言えません。

2.分析対象の情報量を増やす

既に苦情を含む問い合わせ全般を分析対象としており、データソースが応対履歴である場合、次のフェーズとして分析対象を音声認識テキスト(音声認識システムによる通話のテキストログ)にスライドすることが考えられます。

応対履歴は「オペレーターが通話の内容を要約して書き残した記録」であり、オペレーターの主観に基づき話題の取捨選択がされるため、本来残すべき事柄や表現が欠落してしまう可能性があります。
一方、音声認識テキストは「会話全文をテキスト化した記録」であり、実際の言い回しも含めた全てを分析対象とできるため、話題の取りこぼしがない状態でVOCを知ることができます。

しかし、音声認識テキストは5分の通話で約1500文字とボリュームが多く、冗長な表現がされており話の要点を掴みにくいため、応対履歴と比べると分析の難易度が大きく跳ね上がります。
また、音声認識テキストは実際に会話した内容だけが残されているため、例えば解約の事情などはオペレーター側からわざわざヒアリングをしなければ話に出てこず、データ中のどこを探しても見つからないこともままあります。

「絶対に何か貴重な意見が隠れているはず」と期待を寄せ過ぎず、場合によってはコールセンターのトークスクリプトを見直すことも想定した上で、分析に取り組むことをおすすめします。

3.分析対象の種類を増やす

応対履歴や音声認識テキストなど、「自社への問い合わせ」の分析が定着化したのであれば、次のフェーズとしてSNSを分析対象とするのも良いでしょう。

問い合わせを行うのはごく一部のお客様であり、ほとんどのお客様は要望や不満を企業に伝えず、場合によってはそのまま離れて行く恐れもあります。

そのような隠れた声を知るために、SNSの声を収集して分析をすることは有効と言えるでしょう。
Twitterの分析事例

しかし、SNSの場合は企業名や製品名を正式名称で呼ばないケースも多々あるため、クローリング(SNSデータの取得)をする際は注意が必要です。

適切なキーワード設定を行うことで、必要な情報を抽出しやすい状況を作ることができます。

まとめ

VOC活動を拡大するために、分析対象データの範囲を広げる、情報量を増やす、種類を増やすことを検討しましょう。

より詳細な情報や事例について知りたい方は、お問合せフォームよりぜひお気軽にお問合せください。テキストマイニングに興味をお持ちの方は、無料のセミナーもございますので、お気軽にご参加ください。

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