• 運用アドバイス

テキストマイニングを始める前に準備すべきこと


自社で抱える大量のテキストデータを分析するために欠かせないツールが「テキストマイニングツール」です。
ただし、導入を進める前にしっかりと準備を行わないと、「便利になるはずだったのにどうして…」と頭を抱える事となります。

今回はテキストマイニングを始める前に準備すべきポイントをご説明します。

1.テキストマイニングに関する社内の理解促進を行う

必ず必要で、意外と忘れがちなのが「テキストマイニングとはどんなものか?を社内で理解してもらう」活動です。
もちろん製品導入を行う部署やチームの担当者、責任者レベルではしっかりと市場調査を行い、どんなツールなのか、どのような機能を持っているのか…といった情報を集めて理解をしている状態です。
一方で、分析結果を閲覧する上層部や他部署にまでその情報が伝わっておらず、「全自動で分析結果を得られる万能ツール」だと誤解をされていることもあります。

テキストマイニングツールは(少なくとも現状は)、全てを自動化して宝のように貴重な意見をピンポイントで取り出せるものではありません。
テキストマイニングは分析者が方針を検討し、段階的に情報を探り出す必要があり、テキストマイニングツールはその作業を効率的に支援してくれる存在となります。
また、テキストマイニングは対象データに書かれている情報の中でしか判断をすることができません。
知りたい情報がそのデータの中に存在しなければ、分析結果として抽出されることもありません。

誤解を誤解のまま放置してしまうと、「なんで報告までにこんなに時間が掛かるんだ」「知りたい情報が書かれていない」と不満が生じるだけでなく、分析から報告までにかけた分析担当者の労力に気づかれない、という状況を招いてしまいます。

2.分析チームの体制を整える

先述の通り、テキストマイニングでは分析者が方針を検討する必要があります。
分析担当者が1名で、方針検討も実作業も単身で行う…となると、負荷の大きさに耐えられずプロジェクト自体が継続不可となるケースもゼロではありません。
そのため、個人に頼らず、分析チームを用意することをおすすめします。

分析チームは基本として次のような体制とすると良いでしょう。
・分析担当者(実務):2~3名
・責任者(マネジメント):1名
あとは分析の対象範囲やデータ種類ごとにチームを拡張していけば、無理なく運用を続けていくことが可能です。

3.分析結果を共有するフローを検討する

分析作業は結果を出力すれば終わりではなく、レポートにまとめて報告を行う必要があります。
この際に重要なのは「いつ」「誰に」「どのように」結果を共有するかです。

① いつ共有するか

分析結果はその内容に従い、適切なタイミングで共有する必要があります。
月次のデータを対象にしているのであれば報告タイミングも月次で行い、先月の分析結果は今月の上旬には報告をしなければ情報の鮮度が落ちてしまいます。
一方で前年との比較であれば年度が更新される前に報告を行い、次年の指針となるように情報提供を済ませておかなければいけません。

② 誰に共有するか

上層部に報告するのであれば、報告内容はサマリー化を行い、多忙であっても要点は掴めるように情報の取捨選択をしておく必要があります。
他部署に報告するのであれば上層部とは見せ方を変え、各部署に関連する情報、もしくは全社共通の情報で分けて、どこを見て欲しいのかを明確にすると伝わりやすいでしょう。

③ どのように共有するか

レポートを作成して共有サーバーやメールで展開をするだけというパターンもありますが、あまり効果的とは言えません。
社内ポータルサイトに掲載する、報告の場を設けるなど、積極的に情報に触れてもらえるような工夫が必要です。

これらの運用を事前に考えておくことで分析チームのリソース配分を検討でき、無理なく効果的な運用を継続することができます。
もちろん運用はPDCAを回し、適宜見直しを行いましょう。

テキストマイニングを始めるにあたり、ツールを導入するだけでなく、事前に社内の体制づくりを行う事が重要です。


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