• 分析事例

商品への口コミ情報からお客様を”知る”方法

商品への口コミ情報からお客様を”知る”方法
一般消費者向けの商品を扱う企業にとって、お客様の声はとても貴重なものです。
特に、企業に直接届けられない「お客様同士の口コミ情報」には、商品改善や新商品のヒントとなるような重要な意見が含まれていると考えられます。

今回はとある化粧品の口コミを例にとり、分析の進め方について解説します。

フェーズごとに意見を整理

口コミを分析するにあたり、まずは大量の意見を整理する必要があります。
この時のポイントとして、「現在どのフェーズにある意見なのか?」を整理すると良いでしょう。
購入前の検討段階なのか、サンプルを使用したのか、実際に購入したのか、リピートか…。
お客様のフェーズ

お客様のフェーズに従い整理を行うと、グラフ化した時に例えば「サンプル使用段階でのご意見が多い」と気づく事ができ、「ではサンプル使用時に何の問題があったのか?どこが不満か?」と疑問を抱くでしょう。

このように、全体を整理した後に、課題を多く含む(突出した)話題を掘り下げる「多段分析」を行うことで、効率的に課題追及を行うことができます。

長期間のデータを分析して、トレンドを追う

新商品の反響を見るだけであれば、発売前後の期間に限定したデータを分析すれば事足りるでしょう。
ですが、もし商品のトレンドを知りたいのであれば、長期間のデータを用意する必要があります。
化粧品であれば季節に応じて求められる機能が変わります。

そのため、春夏秋冬を網羅した期間のデータを分析することによって、春から夏にかけて「潤い」については意見が減少し、逆に「カバー力」が増えている、というニーズが浮き彫りになります。
また、流行の変化を知りたければ、少なくとも直近2年分のデータを用意する必要があります。

これにより、去年のリップの色は「ボルドー」が人気だったが、今年は「ベージュ」に関する口コミが多い、というような分析結果を得る事が出来ます。

ネガティブな意見から改善点を見つけ出す

商品に満足できず、購入を断念したりリピートをやめてしまう場合もあります。
そのような不満足を表明する意見を分析することで、商品の改善につなげる事が可能です。

不満足の意見(がっかり、期待外れ、もう買わない等)をグルーピングして、そのフレーズを含む口コミを掘り下げて分析します。

この時にポイントなのは、「不満のフレーズだけでなく、その前後の文章も含めて分析する」事です。
何故ならば、不満を述べた一文にその要因や背景が書かれているケースは少なく、前後文にそれらの重要な話題が書かれていることが多いためです。

結果として、「 “高かったのに他の商品と変わらない。” がっかりです。」「“持ちがいいって聞いたのにマスクにべったり付いた。“もう買わない。」というような、何が要因で不満としたのか課題を明らかにすることができます。

お客様オリジナルの使い方を発見

口コミの中には、メーカー推奨の使い方ではなくお客様オリジナルの「裏技」により、商品の魅力を更に伸ばしているケースもあります。
そのような企業にとっての新たな発見を取り出すには、少数意見の分析がマストです。

まずは全体の主要な意見とそれ以外の少数意見に分類し、少数意見だけを取り出して分類を行います。

その結果、「〇〇と併用することで持ちがよくなる」「△△と混ぜて使うと発色がいい」など、全体の意見では見つけられないような気付きを得る事ができるようになります。

まとめ

口コミ情報を扱う際には、フェーズごとに整理を行うことがおすすめです。また、目的に応じて対象とするデータの範囲を変えることにより、目的に合った分析結果を得やすくなるでしょう。

より詳細な情報や事例について知りたい方は、お問合せフォームよりぜひお気軽にお問合せください。テキストマイニングに興味をお持ちの方は、無料のセミナーもございますので、お気軽にご参加ください。

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