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会話から見つけ出す“解約阻止のノウハウ”

会話から見つけ出す“解約阻止のノウハウ”
サブスクリプション型のサービスを提供している企業にとって、契約を継続してもらう事は大変重要です。では、どうすれば解約を阻止し、契約の継続を維持できるのでしょうか。
それを知るためには、解約を検討しているお客様がどんな背景を持ち、解約検討時にどのような提案が“刺さる”のかを明らかにする必要があります。

今回はとある通信業者を例に取り、解約を検討している段階のお客様との会話から、解約を阻止するためのノウハウを抽出する手法についてご説明します。

1.解約したいお客様の背景を知る

解約を阻止するノウハウを得るには、まず解約を検討しているお客様の背景を知る必要があります。
そのため、分析対象のデータとしてはオペレーターの主観による応対履歴よりも、お客様の生の声である通話ログ(音声認識テキスト)データが適していると言えます。

まずは以下の手順で、通話内の話題を整理します。
(1) 全通話データから、解約を検討しているお客様の通話データのみに絞り込み
(2) 通話テキストを話題単位に分割
(3) 会話の流れに従い話題を整理
(4) 通話の起点となる「架電理由(=解約したい)」にあたる話題群を見つける
(5) 「架電理由」をターゲットに、前後話題を抽出・整理(近傍分析)

架電理由(=解約したい)の前後にその理由や背景を述べている可能性が高いため、上記の手順で対象箇所を切り出すことが有効です。

例となる通信業者では、このようなお客様の背景が見えました。
・引越しをするから
・他社の方が安いから
・親、配偶者が契約をしていたが、死去したから

 

2.解約阻止のトークノウハウを見つける

前述のようにお客様の背景はバラバラですが、それぞれの理由に従い解約阻止の提案ができそうです。

次の段階として、以下の手順でオペレーターの案内内容を整理します。
(1) お客様の背景ごとに通話データを絞り込み
(2) 通話テキストを話題単位に分割
(3) 会話の流れに従い話題を整理
(4) 通話の終点となる「解約をやめる」にあたる話題群を見つける
(5) 「解約をやめる」をターゲットに、前の話題を抽出・整理(近傍分析)

「解約をやめる」、すなわち説得に成功した時点から前の話題を探ることで、どのような提案がお客様の納得感を得られたのかを明らかにすることができます。
特に解約成功率が高いオペレーターがいるのであれば、そのオペレーターの通話のみに絞って分析をすることにより、更に具体的なトークノウハウを発見することも可能です。

 
例となる通信業者では、背景に沿って案内を行っている様子が伺えました。
・引越しをするから ⇒引越し先の地域でサービスを提供できるか調べる
・他社の方が安いから ⇒新しいプランの提案
・親、配偶者が契約をしていたが、死去したから ⇒解約手続きを案内

 

3.そもそも解約阻止ができているコンタクトセンターか?を知る

解約阻止のノウハウを得られるのは、オペレーター達がお客様を引き留めるトークをしている場合に限られます。解約阻止をせず、解約手続きだけを案内するコンタクトセンターの場合は、当然ながら解約阻止のノウハウは得られません。
通話全体を整理して架電理由から終話までの流れを明らかにすることで、全体に対して引き留めるトークを行った割合を明らかにできます。

例となる通信業者では、
解約を申し出たお客様に対して引き留めを行ったのは一部のオペレーターのみで、90%以上の通話でそのまま解約手続きを行っていたことが分かりました。
これは課題として挙げられ、コンタクトセンター全体に引き留めトークを広げる必要性が周知されることとなりました。

まとめ

通話ログから対象話題の近傍を切り出すことで、お客様の解約したい背景や、オペレーターの提案内容を明らかにし、解約阻止に繋がるノウハウを得ることができます。

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