新商品を世に送り出した後、気になるのは世間の反応です。
自社のコンタクトセンターに届く声だけでなく、SNSでつぶやかれる率直な感想を知ることで、新商品に対する「リアルな反響」を製品開発やキャンペーンに活かすことができるでしょう。
今回はSNSに集まる消費者の声から、新商品の反響分析を行うための分析手法についてご説明します。
1.SNSデータを収集する
まずはSNSから新商品に関する話題を収集します。
指定したキーワードを含むデータをSNSからクローリングする必要がありますが、この際に注意したいのが「消費者はわざわざ商品の正式名称を言わない」という点です。
有名な例として、マクドナルドについて説明をする時に、「マック」もしくは「マクド」と呼ぶ消費者がほとんどです。
つまり、マクドナルドに関する消費者の声を集める際に「マクドナルド」だけをキーワードに指定しても大多数の意見は取りこぼれてしまうため、「マック」「マクド」をターゲットに含める必要があります。
また、データ収集の対象期間も重要なポイントとなります。
新商品に関する分析を行う際、「告知期間」「販売の直前直後」「販売して一定期間後」がデータ区分として考えられます。
前評判を知りたければ「告知期間」のデータが有効であり、消費者の期待値とそれに応じた反響を知りたければ「販売の直前直後」、新商品の反響が一過性なのか否かを知りたければ「販売して一定期間後」のデータを収集する必要があります。
2.無関係な投稿を取り除く
自社名や自社の商品名を含む投稿であっても、必ずしも自社に関連する話題とは限りません。
同名だが別の物を示す場合もあれば、自社に関連したキーワードを用いたネタ発言や、店舗による広告・キャンペーン(およびそれらのRT)である場合もあります。
これらの「消費者の声」以外の投稿は分析時のノイズとなるため、前処理の段階で取り除く必要があります。
(データ収集段階ではどんな投稿が無関係か不明の為、取り除く事は困難です。)
使用するテキストマイニングツールが文単位で分類可能な場合、投稿単位での関連度比較ができるため、無関係な話題群、ネタツイートの話題群、広告ツイートの話題群を抽出することも難しくありません。
特に多くRTされる内容は高い関連度で絞り込むことで、無関係な話題とそれ以外(その他)に分類し、その他=自社に関連する投稿だけを取り出すことができます。
3.新商品に関する投稿を分析する
前処理後、自社に関する投稿から反響を見える化します。
まずは話題ごとにざっくりとグルーピングし、分類体系を整理します。
上記の例は、とある新商品のアイスクリームに関する反響分析結果です。
データ期間は「販売の直前直後」1週間を対象としました。
大分類の個別商品において、新商品の名前だけでなく、既存商品の名前も挙げられており、自社ブランドの中でも味の比較が行われていることが分かります。
また、商品評価では消費者がどのような観点で評価を行ったかが可視化できました。
味や品質だけでなく、商品が与える印象も重要であり、「高級感」や「贅沢」さが食べるシチュエーションにも反映されています。
また、他社商品とも比較されており、同じ高級路線の高価格帯商品だけでなく、低価格帯商品も話題に上がっています。
これらの情報から、今回の新商品が狙ったターゲットに届けられているか、他社商品に対してどのようなリードを得られているかを知ることができます。
このように全体像を整理するだけでも反響を可視化できますが、分類定義を精査してカテゴリグラフで属性とクロスすることで、時系列変化や地域別の特徴などを抽出し、更に具体的な課題抽出に繋げることができます。
また、少数意見から隠れたニーズや予兆の発見に繋げる事も可能です。
SNSの投稿から反響分析を行う場合、データ収集・前処理・分析の段階ごとに適切な手順を踏み、消費者の声を見える化しましょう。
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