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テキスト分析は完全自動化できるのか?


AI技術の進化と共に、特に画像認識などの分野が大きく発展を遂げている昨今、「テキスト分析もすべて自動化できるの?」というお問合せを受ける機会も増えています。
小規模なデータを「カウント」する時代から、大規模データを「分析・ナレッジ化」する時代に変化しているテキストマイニング分野において、果たしてAI技術はどのような影響を及ぼしているのでしょうか。

今回はAI技術とテキストマイニングの関係性に触れながら、「テキスト分析は完全自動化できるのか?」について考えていきます。

1.AI技術の発展がテキスト分析にもたらした変化

第3次AIブームが2013年から始まり、機械学習から深層学習(ディープラーニング)へと大きな革命を起こしながら、AI技術は大きな発展を続けています。
最近では「かわいい猫」のようにキーワードを打ち込むとAIが自動的に絵を描く…といったプログラムがSNSで大きな反響を得て、もはや誰もが気軽にAI技術に触れられるような時代が訪れています。

その中で自然言語処理(テキストマイニング)の分野は難易度が高いながらも徐々に進歩し、新聞記事の要約文を自動生成する、逆に新しい物語を書かせるなど、専門家以外が使えるレベルの実用化や、より高度な技術発展を目指し日夜研究が進められています。
弊ブログでも自然言語処理に関する国際的なイベントの報告記事がありますのでご参照ください。
・対象記事:【ACL2021の3つポイント】自然言語処理のトップ会議 ACL-IJCNLP2021に参加してきました

テキスト分析業務を支援するテキストマイニングツールにおいてもAI技術は重要であり、今まで人手で行ってきた話題のラベリングや階層構造化、重要な話題の判定などを自動化するに至っています。
これにより人間は体系化された話題から必要な情報だけを選択し、すぐに利活用を行えるような、“半自動化”が実現しています。

2.自動化できる部分、できない部分

“半自動化”という事は完全な自動化ではないのか、とがっかりされる方もいる事でしょう。
ですが今まで人員を用意して一生懸命行っていた、時間と手間が掛かる(人間が嫌になってしまうような)作業は、システムが肩代わりをして自動化が行われるようになりました。

では、自動化できない部分とはなんでしょうか?
それは「最終的な判断」を行うという作業です。
システムは正解に近い“であろう”、重要“であろう”結果を提示してくれますが、それが本当に正解なのか、重要なのかは人間がジャッジをしなければいけません。
システムが提示してくれる内容には、人間では思いもよらない発見が含まれている可能性も十分あります。
それでも、「自分にとって」「企業にとって」「お客様にとって」必要なのか否かは、人間にしか判断ができないのです。

3.人とシステムの素敵な共存関係

弊社では創立当初から「人間とシステムのコラボレーション」という言葉を掲げ、その理念に基づき皆様に役立つ製品・サービスを提供し続けています。
人間が「最終的な判断」を行うために、いかに効率的に、分かりやすく判断材料を提供できるのか、それこそがテキスト分析における人とシステムの目指すべき関係だと我々は考えております。

テキスト分析は半自動化が可能であり、最終的な判断は人間が行う必要があります。


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