• 分析事例

苦情分析のポイント(応用編)


VOC分析(顧客の声分析)の中でも重要な位置を占める苦情・クレーム。
前回の「苦情分析のポイント(基礎編)」では、苦情分析における基本の考え方についてご紹介しました。

今回は苦情削減の効果測定に方法とその後の対応に注目して、応用編としてご説明します。

1.苦情逓減の対策を実施し、時系列推移から効果を測定する

基礎編でご紹介した通り、苦情を分析し、その結果を担当部門に周知するだけでは不十分です。
毎週・毎月の定期分析の中で、実際に苦情逓減の対策を行った結果、該当する苦情の件数が減っているかを
モニタリングする必要があります。

この際に重要なのは以下の2つのポイントです。
① 同じ分類軸で比較を行う
② 対策実施後に生じた新規話題をキャッチする

①同じ分類軸で比較を行う

苦情逓減の対策効果を測定するには、一定期間に対して同じ分類軸で比較を行う必要があります。
分類軸を変更してしまうと、話題件数が先月と今月で変動した場合に、それが対策による影響なのか分類軸を変更した影響なのか判断が出来なくなってしまいます。

②対策実施後に生じた新規話題をキャッチする

対策を実施した結果、対象の苦情話題の件数や比率が下がったとすれば、一定の効果があったと言えるでしょう。
しかしこの場合に注意したいのが、「対策を行ったことで新たな苦情が発生していないか」という点です。
これを知るためには、新規話題を確認する必要があります。

既存の苦情に含まれない「その他(未分類)」話題に新規の苦情が隠れている可能性があるため、その他話題のみをグルーピングして、対策実施前後で上昇している意見に絞り込みます。
これにより、対策に起因して新たな問題が発生していれば早期に把握することが可能です。

2.チャネル別に時系列推移を確認し、対策効果の違いを知る

自社の苦情対応窓口が複数のチャネルに分かれる場合には、チャネル別に効果測定を行うことも有効です。

例えば電話窓口、チャット窓口と分かれていた場合に、同じ分類軸でそれぞれのデータを分析します。
対策が必要な苦情内容は「契約の内容が分かりづらい」であり、実際に行った対策は「HP上に詳細な解説ページを設ける」だと仮定します。
対策を行ったのは7月とし、7月~10月で効果測定を行うと以下のような結果となりました。

早い段階で効果を示したのはチャット窓口です。
チャット利用者はHPにアクセスしており、ITリテラシーを一定以上有しているユーザーが多いため、新設の解説ページを確認することで自己解決ができるケースが多いためと考えられます。
続いて電話窓口でも効果が表れ始めましたが、チャット窓口と比べると苦情の減少傾向は緩やかでした。
HPを確認せず電話で問合せを行い、オペレーターが解説ページを都度案内することで解決できるようになったものの、個別対応となるため浸透率が低く、なかなか苦情が減らない…という状況と考えられます。

このようにチャネル別で比較することで、実施した対策がどの層に対して有効だったのか、追加で別の対策が必要なのか否かを検討することができます。

苦情分析を行う際は、対策を講じた後の効果測定も重要です。


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