• 分析事例

「正解にたどり着ける」チャットボットを目指す


昨今、馴染みのあるチャネルとして定着化しつつある「チャット・チャットボット窓口」ですが、実際どれくらいの利用者が、問い合せた内容に対して満足のいく回答や理解を得られているのでしょうか。

目的に応じた切り分け(例:無人BOT対応・有人対応による切り分けなど)や、欲しい情報と自社データで持っている情報の整理が必要という点は、過去ブログ記事の「チャットログの分析事例」や「チャット・チャットボットログ分析のコツ」でご紹介した通りです。

今回は、「正解にたどり着ける」チャットボットを目指すために必要なポイントに絞り、分析の手法とこれにより得られた効果をご紹介します。

事例1.ボットによる対応のうち、途中離脱となってしまったチャットに着目

FAQやWebページの表示、有人対応の接続をせずに終了しているような途中離脱となってしまったチャットのやりとりに着目します。
その内、特に離脱率の高い・問合せの多い(もしくは最近増えている)、チャットのやりとりの「文脈=どのような話題がどのような順でやりとりされているのか?」を分析から可視化することで、設問の順番設定の問題で最短の回答に導けなかったのか、FAQ自体が存在しない新たなニーズやご相談なのかの判断が可能となります。

事例1.で得られた効果

途中離脱となるパターンを把握し、選択肢の見直しおよび不足していたFAQを拡充することで、離脱率の低減を実現。

2.ボットとのやりとりをせずに直接有人対応を希望するユーザーに着目

こちらもよくある課題のうちの1つですが、ボットとのやりとりを介さず、有人対応を希望されたようなユーザーとのやりとりのみに対象を絞り込みます。
そのうち、問合せ頻度が高い話題、かつ、既にFAQが整備されており、ボットで対応可能な話題を分析により抽出することで、チャットボットを開始する際の導線の工夫で自力解決に繋げられる可能性があります。

事例2.で得られた効果

ボットでの解決率を高めるために、チャットを開始する際の入り口に、よくある質問を設置することで有人対応へ繋がる割合の低減を実現。

3.特定話題の周辺=近傍のやりとりの着目

まず、近傍というのは、特定話題の周辺の発話のことを指します。「オペレーター対応に切替」や「解決できなかったので他の方法で質問したい」といった選択をした際に、その前に解決ができなかった質問文があるはずですので、これを抽出し分析する方法が近傍深掘り分析となります。実際の事例では、要望があるもののFAQでカバーできていないものを抽出する際に、この近傍深掘り分析を活用しました。

事例3.で得られた効果

不足しているFAQに対してツールを利用することですぐに抽出ができ、対応できるFAQ範囲が拡大することで、結果的に無人のボット対応でのクローズ割合の向上を迅速に実現。

まとめ

正答率を上げる、つまり「正解にたどり着ける」チャットボットを目指すための分析手法について、3つの分析手法と実際の効果を事例ベースでご紹介しました。
それぞれどのタイミングで効果を発揮するものなのか?を以下図のように意識いただき課題設定や分析いただくことをオススメします。


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関連ワード:自然言語処理、FAQ、チャットボット、chatbot