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結局「テキストマイニングで何ができるのか」が知りたい


AI技術の発展やChatGPTの登場で沸き立つ世の中ですが、「自社ではいまだにExcelでアンケート集計をしている」「手間がかかる上に、集計で終わってしまい分析まで到達できない…」というお悩みを抱える企業からご相談を受ける機会は少なくありません。

今回はテキストマイニングを導入することで「結局何ができるのか?」に焦点を当てて、テキストマイニングツールVextMinerの特長をご紹介します。

1.Excelでできること、VextMinerでできること

まず、Excelの得意分野と、VextMinerの得意分野を比較します。

  • Excel:数値・キーワードの集計、グラフ化
  • VextMiner:キーワード・話題の分類、グラフ化

Excelでは定量化が可能な(表現が統一された)情報を集計することが得意です。
一方で、表現が統一されていないフリーテキストの集計は苦手分野と言えます。
集計をしようとしても、「どのような表現を」「どこまでの範囲で」同じ話題とみなすか?の指標がない状態で人が毎回判断しなければいけないため、作業が発生する度に工数が掛かる上、人によっても分類の考え方が変わってしまうので、結果にもばらつきが生じてしまいます。

VextMinerは定量化が難しい、表現が統一されていないフリーテキストであっても、自動的に学習を行い、文と文の「関連度」を算出することで、話題を集めて自動的に分類することが可能です。
そのため、人間は提示された分類結果を見ながら意図を反映することができ、分類方針を考える工数が大幅に削減されます。
また分類の条件は「分類ルール」として管理・編集することができるため、常に同じ定義に基づいて分類を行う事が出来ようになり、分析する度に工数が掛かる、という状況も回避することができます。
一方で、数値情報も分類・集計することができますが、この点についてはExcelの方がより自由度が高いでしょう。

すなわち、定量化ができる情報だけであればExcelでも対応ができますが、表現が統一されていないフリーテキストを対象とする場合は、テキストマイニングツールが必須と言えます。

2.より一層「自社に役立つ情報」を得るためには

また、テキスト情報には「課題」が隠されている可能性があります。

例えば家電に関する苦情として「電源ボタンを押しても電源が入らない」という話題があった場合、何に起因する問題なのか?を明らかにする必要があります。

状況を把握するために、まずは「何件」電源が入らない事象が起きているのか、発生件数を知りたいと考えます。
たった1人が言っていることなのか、複数の購入者から声が寄せられているのかは、「電源が入らない」という苦情の集計結果から知ることが可能です。

一方で、「なぜ」電源が入らないのか?は、集計結果から知ることはできません。
そこで重要になるのが「深掘り分析」です。
「電源が入らない」という話題に分類された苦情データだけを取り出し、ドリルダウンで分析を行うことで、電源が入らない現象の周辺話題を分析することができます。
その結果、例えば以下のような話題が発見されたとします。

電源が入らないとする場合に「返品対応」「不良品」の話題が含まれていた場合、メーカー側の落ち度として早急な対応が求められます。また、同じロットに対して回収が必要か否かを判断するためにも、より詳細な調査が必要と考えられます。
「コンセントが刺さっていなかった」「マニュアルの読み間違い」は購入者側の落ち度ですが、それらの話題件数が多いようであれば、マニュアルの記載方法を変える、「電源が入らない時はコンセントの状態を確認する」などの注意文を追加する、などの対応を行うことで、苦情問合せ件数を減らすことができるでしょう。

このような深掘り分析はExcelで対応する事が難しく、テキスト分析に特化したテキストマイニングツールが必要となります。

3.「コスト」をどう考えるか

このように、テキストを分析する上でテキストマイニングツールを導入すると大きなメリットがある、という所まではご理解いただけることが多いのですが、最後に障壁となるのが「コスト」です。
Excelは既に全社的に導入されており、今まで追加費用もなく集計を行ってきている分、新たに予算を取ってテキストマイニングツールを導入することが難しい…というご相談を寄せられることがあります。

ここで改めて考えたいのが、「1.Excelでできること、VextMinerでできること」で触れた集計・分類の工数です。
Excelにおいて定量的な情報の集計は問題ありませんが、定性的な情報であるフリーテキストに対して、どんな表現をどこまで同じ話題とみなすか?を都度判断しなければいけないため、例えば同じ設問のアンケートであっても、毎日入電がある窓口の応対履歴であっても、毎度一から手作業で分類をしなければいけません。

一方、テキストマイニングツールVextMinerは自動分類結果をもとに分類方針を策定できるため工数が削減され、かつ分類ルールを作成することで、同じ設問のアンケートデータや日々の応対履歴であれば、同一の定義に基づいていきなりグラフ化をすることもできます。

Excelを用いて10人がかりでやっていたことを、ツールの導入で担当者の負担を減らし、更に浮いた人員でより高度な分析を行う事も可能となります。
結果として、ツールの導入コストが掛かったとしても、人的コストを下げる事ができると考えられます。

最後に

ここまでの内容を踏まえ「テキストマイニングツール導入を検討しようかな?」と考えた方には、過去記事「テキストマイニングを始める前に準備すべきこと」や「自転車操業にならないテキストマイニング運用法」もおすすめです。
Excelなどの集計ツールから、VextMinerのようなテキスト分析ツールに切り替えていく際に必要な、意識や体制の変更についても事前に準備をしておくと安心です。

自社の分析目的や、ツールの得意分野・不得意分野を考慮して、どんなツールが必要なのかを選定しましょう。


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関連製品:VextMiner
関連ワード:自然言語処理、テキスト分類、テキスト分析、導入コスト