人事担当者へ贈る「従業員満足度調査」の分析手法
年に一度は訪れる、従業員満足度調査の時期。
集められた回答を集計する立場の人事担当者から、「工数を削減したい」「どんな軸でまとめるべきか悩ましい」とのご相談を受ける事が多々あります。
今回は事例をベースに、「従業員満足度調査」の分析手法をご紹介します。
満足度調査の分類方法
満足度調査の内容は各社様々ですが、満足度を何段階かで評価し、それに対する自由回答欄を設ける、という形式が一般的と考えられます。
評価部分は定量的に評価が可能な為Excel等でも対応できますが、自由回答部分は定性的な判断が求められ、テキストマイニングツールの支援が必要となります。
では、自由回答はどのように分類するべきでしょうか。
自由回答は職種や役職によっても視点が異なりますが、「この企業で働くメリット/デメリット」という大きな枠で考えると、分類項目を検討しやすいでしょう。
とある人材系の企業では次のような大分類で整理を行いました。
・ブランド(企業イメージ、ネームバリューなど)
・福利厚生(ライフステージとの関係性など)
・キャリア・待遇(給与、スキルアップなど)
・業務内容(残業、やりがいなど)
・人間関係(上司・同僚との交流など)
このように大きく分類することで、従業員がどのような点を重視しているかを可視化することができます。
この人材系企業ではポジティブな意見としてブランド、キャリア・待遇への言及が多く、「企業イメージに惹かれて入社」「キャリアアップのサポートが手厚い」と考える従業員が多いことが分かり、自社の強みを把握することに繋がりました。
満足度を部署や職種で切り分ける
ポジティブな意見はまとまった方向性がある一方で、ネガティブな意見はばらつきが見られ、傾向がはっきりとしませんでした。
理由として部署や職種により業務内容が異なることが考えられたため、前述の大分類に対してまずは部署を示す属性をクロスして分析を行いました。
その結果、システム部門では「業務内容」に不満を抱える従業員が多く、営業部門では「人間関係」に問題があるとする従業員が多い、という傾向が見えました。
更に詳細な背景を探るために、今度は職種を示す属性をクロスして分析を行いました。
すると、システム部門の中でも実務担当者は「残業が多く、業務負担が給与と見合っていない」という意見が見られ、営業部門は一般社員であれば「上司や同僚とコミュニケーションが図れない」とし、管理職は「部下と上層部の板挟みになっている」といった具体的な課題が浮かび上がったのです。
満足度調査結果は経営課題の宝庫
満足度調査は従業員数が多ければ多いほど集計の負担が大きいものですが、集められた「生の意見」は経営課題の宝庫と言えます。
それを上層部に伝えるためには、「従業員が企業を評価する視点」と、「どこがストロングポイントで、どこがウィークポイントか」を明確化する必要があります。
また、定量的な情報だけでなく、どんな意見があったのかを定性的に報告することも重要です。
貴重な人材を活かし、手放さないためにも、「従業員満足度調査」を適切に分析・報告しましょう。
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